Workdshop/サウンド・エデュケーション/耳の哲学

 ●はじめに

 音楽とは何か、何がオンガクか?

 2011年の東日本大震災以降、「想定外」という言葉が社会を覆っていく中で、ずっとそのことを考えてきました。音をだすこと、音楽を奏でること。音楽家にとって「当たり前」だと思っていたことを、まず疑ってみる。音を出すことを止めて、世界に「耳をひらく/耳をすます」ことで何がきこえ、みえてくるのか。4歳から毎日のように出していた音楽を一旦止めて、言葉と耳から世界との関わり直しを始めました。

 この考え方は、カナダの作曲家M.シェーファーが40年前に提示した「サウンドスケープ論」を背景にしています。2011年秋には、シェーファーに最も近い弘前大学今田匡彦研究室に籍を置き、アカデミズムからの考察も進めていきました。その研究実践の場として2014年に設立したのがコネクトです。活動の中で他分野のアーティストや研究者たちと出会い、即興性や多様性のある場での「音」の必要性も実感し、音活動も少しづつ再開しました。

脱構築―平均律を解体する
脱構築―平均律を解体する

●耳の哲学とは

 サウンドスケープ論は「感性」と「知性」の調和を大切にしています。音楽(オト)と哲学(コトバ)の両面から内(ウチ)と外(ソト)を感じ、考えること。そのためには、自分の経験を言葉や音に変え、誰かに伝え、自分と違う世界を知る、対話の場が大切です。40年前に「サウンドスケープ論」が提唱されて以来、その’名前’は音楽を中心とする芸術、教育、建築、環境、コミュニティ等、さまざまな領域にそれぞれの解釈で受け入れられていきました。最終的に目指す場所は同じはずですが、入り口がいくつもあるのが現状です。ここでは「耳の哲学」と名付けた入り口から、身体(耳)/言葉、言語/非言語をつなぐ「間 あわい」の世界を探っています。

 

●ワークショップの目的

まず「サウンドスケープ」という考え方を知って頂くことが目的です。「耳の哲学」では、知性/感性、言葉/身体をつなぎ、そこに発見が生まれるような時間と場、関係性の在り方も提案しています。「たのしい」という感情は決して疎かにしません。アットホームな子育てや福祉の場から、学会発表や企業研修まで幅広いアレンジが可能です。

※参加対象によって使用する言葉、ワークショップ内容の難易度は臨機応変に対応します。音の散歩(屋外活動)やレクチャー(PP使用)も可能です。

NPO法人らいぶらいぶ主催「ベビーフェスタ」にて「耳のおはなし」
NPO法人らいぶらいぶ主催「ベビーフェスタ」にて「耳のおはなし」

●おすすめしたい方

①芸術(音楽、美術、演劇、ダンス等)、哲学、医療、福祉、教育系の研究や実践に関わる方、学生。

②即興演奏に必要な「非言語コミュニケーションの力」を培いたい方

③楽器練習をはじめる前の段階、まず「音をきく」楽しさを体験したいお子様/親子の方

④大きな音、「学校の音楽」的なアプローチが苦手な方、心身をリラックスさせたい方

⑤「音楽とは何か」「生きるとは何か」を考えたい方

 

※年齢、性別、国籍は関係ありません。音楽経験や知識も問いません。

※聴覚障害、視覚障害の方も誠意をもって対応させて頂きます。

 ※日本語/簡単な英語対応可

  

●ワークショップ適性人数

最少3名~最大20名程度 ※レクチャー形式はこの限りではありません。

 

●実施回数 

単発/シリーズ いずれも可 (1回2~3時間程度 ※お子様の場合は45分~)

 

●案内人:ササマユウコ 

 

●実施をお考えの方

場の目的や会場の選び方等、準備段階のプロセスも大切に考えています。講師費用は自治体生涯学習や教育機関等の規定に準じます。個人主催の場合は、会費制/講師料制いずれも対応可能ですのでお気軽にご相談ください。

 

●地域
東京以外への出張も可能です(交通費はご負担ください)。

 

●お問合せ  音のない音楽/CONNECT内まで、お気軽にお問合せください。

 

◆主な活動 (日々は、こちらで紹介しています)

 ・2011年度 日本音楽教育学会東北地区例会にて ワークショップ「やわらかな耳を手に入れる」

 ・Media 4youth  「音のたから探し(田んぼ編)」生きづらさを抱える皆さんと共に

 ・想像力ワークショップ(東京ガス主催)「音のたから探し(都会編)」(親子対象)

 ・日本音楽教育学会 2012年度大会 (東京音大)にて研究発表

    「内と外をつなぐ柔らかな耳~次世代のサウンド・エデュケーション 課題分析と実践から」ほか。

 ・日本音楽教育学会 2013年度大会(弘前大学)共同企画

    「音のワークショップの未来的考察~つむぎねメソッドが紡ぐサウンドスケープ体験から」

 ・自治体生涯学習(市民大学、子供向けワークショップ企画運営)

 ・教育・福祉・音楽(ホスピス、病院、障がい者・高齢者施設)関連ワークショップ

 ・音楽療法士の研究会「野花の座」合宿ワークショップ

 ・芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト(相模原市立市民・大学交流センター内)代表

(2014.6月~現在に至る)

 ・体奏家・新井英夫ワークショップ(地域作業所カプカプ)音担当

 

◆論文・報告

「音のワークショップの未来的考察~つむぎねメソッドが紡ぐサウンドスケープ体験から」『音楽教育学』第43巻第2号 2013.12日本音楽教育学会 (今井裕子)

「内と外をつなぐ柔らかな耳~音のワークショップ、あるいは気づきのプロセス」(今井裕子)『音楽教育実践ジャーナル』2014.3月発行

「詩の考察/耳の哲学」 JOURNAL 東京迂回路研究③ (ササマユウコ)

  多様性と境界に関する対話と表現の研究所×東京アートポイント計画 2017、3月

◆学会

日本音楽教育学会、アートミーツケア学会、日本音楽即興学会

2011年9月~2013年3月 弘前大学大学院今田匡彦研究室・社会人研究生


 ●参考図書

R.Mシェーファーの本
『世界の調律~サウンドスケープとは何か』鳥越けい子他訳(平凡社 1986)(The Tuning of the World 1977) サウンドスケープ論を提唱。

『サウンド・エデュケーション』(春秋社 1996)サウンドスケープを知るための音楽教師向けテキスト、日本初版

『音さがしの本~リトル・サウンド・エデュケーション』(今田匡彦共著 春秋社 増補版2008) 日本の子ども向けテキスト

 

その他

『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン 初版1964

『グレープフルーツ・ブック』オノ・ヨーコ    『グレープフルーツ・ブック』初版1964

『音楽療法とは何か』若尾裕